ひいらぎの大学雑記

ひいらぎの大学雑記

現役名大生が名古屋大学合格のための勉強法をお伝えします。

名古屋大学に受かるには【英語編】

 今回は名大受験者のための英語の勉強法について書いていきます。


基本データ

(2019年現在)
試験時間:105分
問題数:4問
形式:論述(リスニングなし)
解答用紙:B4版用紙6枚程度
問題用紙:B5版冊子


出題傾向

大問1,2:長文読解総合

 理科系の学術的な内容の長文が多い。だいたい700~800語程度。特に難しい構文は多くないが、語彙レベルは高い。高い単語力と前後から意味を推測できる力が求められる。
 小問は内容説明(日本語)、英文和訳、正誤選択などが出題される。


大問3:会話文

 文章の内容としてはさほど難しくはないが、ときどき会話表現などが含まれることもあり読みづらい場合がある。
 年によっては「雑誌の記事とそれに関する会話」として出題されることもある。
 小問は誤用語句訂正、空欄補充、類語選択、一致文選択などと、自由英作文が出題される。記号問題が比較的多い。自由英作文は会話の内容に関する自分の意見を述べるものとなっている。

 


大問4:自由英作文

 例年は和文英訳問題が出題されていたが、2018年はグラフを見て要約する自由英作文、2019年は資料を見て自分の考えを書く自由英作文が出題された。この傾向は今後も続くと考えられる。


対策

概要

 英語の基本は単語・文法力です。名大英語長文の語彙レベルはかなり高いため、単語帳を1冊仕上げておきましょう。
 また文法知識は大問3の対策になるだけでなく、センター英語では即戦力となるため、早い段階で文法問題集を1冊やっておきましょう。
 さらに、単語・文法をある程度強化しつつ、長文を欠かさずに読みましょう。必ずしも毎日でなくても構いません。定期的に、継続して読んでいることが大事です。


1~2年

 とにかく単語の完成を急ぎましょう。単語帳で有名なのはシス単、ターゲット、鉄壁などですが、個人の好みで選べばいいでしょう。わからない人は学校で配布されたものを使えば問題ありません。私はシス単しか使っていません。
 一部のの基本的な単語を除くと入試で英単語を書く機会はほとんどありませんから、単語を書いて覚えるというのは時間の無駄です。さらに単語帳に付属の赤シートを使う必要もありません。
 それではどのように単語を覚えるのかというと、〈英単語を見る〉→〈意味を想起する〉→〈日本語を見る〉という動作を繰り返すのです。英単語を見るときにはわざわざ日本語を隠す必要はなく、意識的に見ないようにします。この方法だと1単語3秒もかかりませんので非常に時間効率がよく、また意味を想起するという動作が入るため「見て覚えたつもり」ということがありません。
 また時間に余裕のあるこの時期に文法問題もやっておくといいでしょう。単語・文法あっての英語力ですから、文法をやっておくことは長文読解にも役立ちます。Scramble、Forest、Next Stageなどから自分に合ったものを選んでください(それぞれの特徴については他サイトに譲ります)。

 

スクランブル英文法・語法 4th Edition

スクランブル英文法・語法 4th Edition

 
総合英語Forest 7th Edition

総合英語Forest 7th Edition

 
Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服

Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服

 

 

 どれも問題数が相当に多いので、昨日やったところを復習してから今日の分をやる、先週の分を週末に復習するなど、何度も繰り返し同じ問題を解くようにしてください。
 さらに、この時期にできるだけ長文に慣れておきましょう。週課題と授業の予習等だけで週に3~4長文は読むことになると思います。週課題と授業の予習はサボらずきちんとやりましょう。これだけで長文に耐性ができ、受験に対応できる英語力は身についていくと思います。


2年春休み~3年夏休み

 春休みには単語が仕上がっていることは大前提です。できていなければすぐにでも単語帳を開いてください。
 時間のある長期休みには1日1長文を欠かさずにやりましょう。授業のある平日は読解と復習の2日に分けるなどしても構いません。

 下にこの時期の名大受験生向けの基本的な長文問題集を掲載するので、合いそうなものを他サイトで調べるなどして選んでください。

基礎英語長文問題精講 改訂版

基礎英語長文問題精講 改訂版

 
ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式

ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式

 
英文読解の透視図

英文読解の透視図

 
やっておきたい英語長文500 (河合塾SERIES)

やっておきたい英語長文500 (河合塾SERIES)

 


 せっかく長文を読むのであれば、そこからできるだけ多くのものを得たいものです。長文は、問題を解いて答え合わせした後、日本語訳と照らし合わせながらもう一度読みましょう。また知らなかった単語・構文を書き出した「オリジナル単語帳」を作って定期的に復習すると大きな効果が見込めます。

 


3年秋

 やはり1日1長文を徹底しましょう。名大英語と同程度の長さで難易度の低い「やっておきたい英語長文700」は過去問演習の前にやるといいです。

やっておきたい英語長文700 (河合塾SERIES)

やっておきたい英語長文700 (河合塾SERIES)

 


 10月後半からは過去問演習に入ります。「名大の英語15ヶ年」を1日1問くらいでやって、名大の問題形式に慣れておきます。文字数制限のある日本語での内容説明問題などは過去問演習を積まないと難しいでしょう。このときも知らなかった単語や構文を書き出して復習します。

名古屋大の英語15カ年[第6版] (難関校過去問シリーズ)

名古屋大の英語15カ年[第6版] (難関校過去問シリーズ)

 


 また自由英作文は過去問にはほとんど登場しませんが、今後出題される可能性が高いため必ず演習しておきましょう。現在過渡期にあるため出題されるテーマ・長さはほとんど予想できません。したがって、どのような出題がされても対応できるように、付け焼き刃でない英作文力が求められます。書いた文は学校や塾の先生に採点してもらいましょう。

 


3年冬~センター試験

 12月後半にはセンター演習を始めます。センターでは多くの問題を短時間で解かなければならないため、微妙な時間配分が必要です。そのため、センター演習では1問ずつバラバラにして解くのではなく、120分を計って1年分をまとめて解きます。

センター試験過去問研究 英語 (2020年版センター赤本シリーズ)

センター試験過去問研究 英語 (2020年版センター赤本シリーズ)

 


 センター英語の難易度はそれほど高くないため、時間の短さに慣れさえすれば、名大レベルの英語力があればそれほど苦戦することはないはずです。長文では全問正解を目標にしましょう。発音や文法問題で全問正解することは困難ですが配点は低いです。よって、医学部以外なら合計で170~190点程度は確保したいところです。
 またリスニングは演習不足だと思います。今は赤本を買わずともネットで過去の問題と音源が手に入るので、1日1年分くらいのペースで解いてください。慣れの要素が大きいため、1ヶ月あればかなり伸びます。
 なお、センター演習だけをやっていると難しい英文に対応できなくなるので、数日に1度は名大過去問をやるようにしましょう。


センター以降

 ここまでで身につけた英語力が落ちないように過去問演習を続けてください。過去問がなくなったら河合塾の入試攻略問題集を使いましょう。メルカリで探すと古い版が見つかります。

入試攻略問題集名古屋大学英語 2018 (河合塾シリーズ)

入試攻略問題集名古屋大学英語 2018 (河合塾シリーズ)

 


 過去問だけでは新傾向に対応できないので、英作文の練習も忘れずに行ってください。

 


2次試験後

 受験勉強の話なのに受験の後の話とはどういうことか、という突っ込みが入りそうです。
 名古屋大学では4月初め(入学式前)にTOEFL ITPという英語の試験が行われます。この試験で一定の得点を取らないとサバイバルという余計な授業を取らなければならなくなります(ちなみにサバイバル受講者のことをサバイバーと呼びます)。サバイバーにならないよう、春休み中も英語の勉強は続けましょう。
 またTOEFL iBTやTOEICの結果を単位に変換できる制度も存在するので、2年生以降の授業を減らすためにこの辺りの試験を受けることも考えおくといいです。

 


まとめ

 英語は基本の単語・文法の上に長文・英作文がありますが、基本が固まってから長文・英作文に入ればよいというものでもありません。単語帳はもちろん必要ですが、実践の中で基本を強化していくことも覚えてください。
 勉強しても英語力は急には伸びません。しかし、勉強を続けていると不意に成長を感じるときが来ます。早い段階で英語に取り組み、そして継続してください。それだけが英語力を伸ばす方法です。